漢養舎の本棚

子どもたちの心を育て養うのにいいと思った本や絵本を紹介するとともに、自らの思いや感じたことなどを綴ります。

母ぐま子ぐま

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作:椋 鳩十
絵:村上 康成
発行:理論社

出版社からの内容紹介:
「しんでは いけない。しんでは いけない」はげしい いたみに 気が遠くなるなか、母ぐまは 二ひきの 子ぐまを 思い、のうみその おくの方で さけびました。
いのちの きけんと となりあわせの 野に 生きる、くまの 母子の あいを えがいた お話です。

この絵本を読んで:
母親の、子供に対する愛情の深さを描いたお話なんですが、一方で、自然や熊たちの生活ぶりがとてもくわしくわかりやすく描かれています。

春の雪どけのなだれの音が、ねざめ前のお母さんのやさしい歌のように気持ちよく響いてくると表現されていたり、冬眠から覚めたばかりの食事のようすでは、子グマがぺたんとおしりをついてすわって、さわがにを食べるところなど、思わずにっこりとしてしまいます。

そんな熊の母子を、二人の狩人が4匹の犬とともに狙うんですが、母熊は子グマを助けたい一心で力を振り絞って犬たちの攻撃を振り払います。

そして、自分たちを襲った狩人に対しては、にらみつけ、うなるだけで去っていきます。無益な殺生はしないというのが自然界の掟なのかもしれません。

最初にも書きましたが、この絵本は母親の子供にたいする愛情がどのぐらい深いものなのかが描かれています。この絵本を手にしたお子さんたちが、自分の身に置き換えて、おかあさんの愛情を感じ取ってもらえたらと思います。

今の世の中でも愛情深いお母さんがほとんどだとは思うんですが、一方で親が子供を虐待したり、はては殺したりするといったニュースが後を絶ちません。

この絵本を手にした子どもたちが大人になったとき、そんな殺伐とした社会にならないような世界を作ってもらえたらと願います。